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EV化を目指すニューヨーク市タクシーと充電インフラ拡充の現状

2026/1/23

EV Blog

ニューヨーク市のEVタクシー導入

2025年、ニューヨーク市の行政サービス局(DCAS)およびタクシー・リムジン委員会(TLC)*は、フォードの電動SUV「Ford Mach‑E」を16台導入しました。これは、TLCが管理するタクシー(2025年11月時点:118,082台)を2027年までに完全EV化するという目標の達成に向けた取り組みです。

この導入により、TLCは「Green Rides イニシアチブ」で定められた要件よりも約3年早くEV化を進めることになります。2025年6月までにTLCのEVタクシー比率は45%に達しました。

* TLC:ニューヨーク市のイエローキャブ、ライドシェア、リムジンなどの免許や規制を担当

Ford Mach‑E 車両概要

  • 車両区分:BEV SUV

  • サイズ:4,715 × 2,098 × 1,626 mm

  • モデル:Select

  • バッテリー容量:78 kWh

  • 想定走行距離(EPA):418 km

  • 充電出力:急速充電 最大150 kW、普通充電 11 kW

  • 充電場所:車庫での普通充電器、または公共の急速充電器

Green Rides イニシアチブ

Green Rides イニシアチブでは、2030年までにニューヨーク市内のライドシェアによるすべての移動を、ゼロエミッション車や車いす対応車両で実施することを目標としています。UberやLyftなどは、2024年時点で5%の乗車回数を、2030年までにEVまたは車いす対応車両により100%にする必要があります。

  • 2024年:5%

  • 2025年:15%

  • 2026年:25%

  • 2027年:40%

  • 2030年:100%

この取り組みは、ニューヨーク市の気候行動計画「PlaNYC: Getting Sustainability Done」における重要な内容です。

PlaNYC: Getting Sustainability Done

  • 2007年:PlaNYC(初回策定)
    施策の一つである「GreeNYC」にて2030年までにCO2排出量を30%削減するという資源保全目標を設定

  • 2015年:OneNYC
    2050年までのカーボンニュートラル実現を目標に設定

  • 2023年:「PlaNYC: Getting Sustainability Done」に発展
    【施策例】
    - ビルの脱炭素化:2050年までにすべての建物のCO2排出量をネットゼロにする
    - 持続可能な輸送:2030年までに輸送での排出を50%削減する

出典:TLCのデータをもとにアークエル株式会社が作成

Green Rides イニシアチブの導入により、ニューヨーク市ではEVタクシー乗車回数が大きく増加しました。2023年1月時点では16万回(EV比率:0.69%)でしたが、2025年1月時点では217万回(EV比率:8.34%)になりました。

2019年からEV導入を進めてきたLyftと、2020年から取り組みを開始したUberは、現在ニューヨーク市で急速にEV化を進めており、合計13,100台のEVが稼働しています。

EVタクシー導入における課題

PlaNYC: Getting Sustainability Doneの策定以降、ニューヨーク市は現在も3つの課題に直面しています。

① 充電器設置までの時間

  • ブロンクスなどの都市部では土地確保や設備工事に時間を要し、急速充電器が不足

  • 夜間や住宅密集地での公共充電の実施が困難のため、NYC DOT*やTLCと民間の公共充電サービス事業者との連携に時間が必要

*NYC DOT:ニューヨーク市交通局。ニューヨーク市の道路、歩道、橋、交通標識などのインフラの計画・建設・維持管理を担当し、安全で効率的かつ環境に優しい交通を提供することを目的とした市の行政機関

② 充電器設置場所

  • JFKなどの空港周辺でライドシェアドライバーの利用が集中し、充電混雑が慢性化

  • 都心や交通量の多いエリア(例:マンハッタン、クイーンズ)に充電器が集中し、他エリアでの充電が困難

③ 充電インフラに対する不満

充電インフラに対するEVドライバーの満足度は62%であり、目標の90%に未達。主な要因は「充電待ち」と「設置数不足」

  • 冬季の充電待ち:寒波と冬季の車両性能低下により、長時間の充電待機列が発生

  • 急増するEVライセンス*に対して、充電インフラ整備が計画通りに進んでいないため充電器数が不足

*EVライセンス:EVをライドシェアとして営業運転するためにTLCが発行する許可証。2023年10月19日以降、TLCはEVおよび車いす対応車両に限定して新規ライセンス申請の受付を開始。申請者は既にEVや車いす対応車両を所有している必要がある。

EVタクシー導入における対策

EVタクシー導入における課題に対応するため、ニューヨーク州と電力会社(NYSERDA、Con Edisonなど)は、充電インフラ拡充を促進するための支援をしています。

NYSERDA:ニューヨーク州エネルギー研究開発局。ニューヨーク州でエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの利用促進、温室効果ガス排出削減を進めるためのプログラム、技術分析、サポートを提供する公的機関

Con Edison:ニューヨーク市圏で電力とガスを数百万の顧客に供給する事業者

  • 充電器設置支援:充電ポート1口あたり最大4,000ドル(約58万円)

  • 電気工事費支援:普通充電器と急速充電器の電気工事費の50〜100%を補助、送配電設備工事も含む

  • 運用コスト低減支援:日本における高圧基本料金の契約kWに対して、充電によるピークが発生しても最大50%を割引

【弊社事例】日本におけるタクシー事業者へのEVタクシー導入事例

アークエル株式会社では、タクシーのEV移行に向けて

  • 移行シミュレーション

  • EV車両・充電器導入

  • 電気工事

  • 補助金支援

  • 充電最適化

まで、包括的なサポートを提供し、導入から運用まで一貫してご支援します。

特に、第一交通産業社には、充電器メーカーや普通充電器/急速充電器を問わない統合的な充電情報管理を提供し、2年以上の運用実績があります。

課題:EVタクシー導入に伴うEVエネルギー料金算出

100拠点を超える営業所におけるEVタクシーのエネルギー料金管理がExcelへの手入力などで属人化し、営業所ごとに精度が異なり、本社での管理はかなりの手間になっていました。

解決策:充電器メーカーや普通充電器/急速充電器に依存しないベンダーフリー

OCPPに準拠した普通充電器/急速充電器だけに限らず、ECHONET Liteや充電器メーカーの独自仕様にも対応可能なベンダーフリーを「AAKEL eFleet」で実現し、「充電器ごと」に「EVタクシーごと」に充電量(kWh)を把握することが可能となります。また、各営業所が契約している電気料金メニューを踏まえて「各営業所ごと」に充電単価(円/kWh)を設定することも可能です。

この充電量(kWh)と充電単価(円/kWh)を組み合わせて、正確なEVエネルギー料金を算出することが「AAKEL eFleet」で可能となります。この仕組みにより、EV移行前の車両のガソリン代と比較することが容易となり、以下のポイントも把握できます。

  • 事前のEV移行シミュレーションからどのくらい差があるのか

  • 実際にはどのくらいのエネルギー料金が削減されているのか

さらに、次のEVを導入する拠点の検討への活用も可能と想定しています。

  • 同じ月間走行距離でも、エネルギー料金が低くなる拠点へのEV導入

  • エネルギー料金が低くなる電気料金メニューエリアへのEV集中導入

「AAKEL eFleet」は、バス・タクシー・トラック・社有車・営業車などの法人向け基礎充電において、多様な運用ニーズやEV導入・運用に関するさまざまなお困りごとに対応しています。

▶ サービス詳細【AAKEL eFleet

また、アークエル株式会社では、エネルギー会社、自動車関連会社、公共交通事業者、その他の法人に対して、EV関連の新規事業構築支援をご提供してまいりました。

このトータルソリューションとコンサルティングにより、バス・タクシー・トラックなどの商用車から社有車まで、EVに関連する幅広い法人のニーズにお応えしています。

さらに、アークエル株式会社では電力分野に関する豊富な知見を有しており、さまざまな課題に対して最適なソリューションを提案することが可能です。こうした知見と海外ネットワークを活かし、モビリティ領域における調査・コンサルティングサービスを提供しています。

  • 自社の製品・技術が海外のEV市場でどのような事業機会を持つのか知りたい

  • 社内向けに簡潔で分かりやすいEV調査レポートを作成してほしい

  • 日本におけるEV関連の新規事業開発を検討したい

◼︎AAKEL eFleet

アークエルが提供するEVスマート充電サービス「AAKEL eFleet」は、海外製EV(乗用車/商用車)や充電器(ABB社)にも対応するベンダーフリーのソリューションです。API連携や車載器の活用により、メーカーや車種を問わず車両を一元管理できるほか、OCPP・ECHONET Lite・各充電器メーカーの独自仕様にも対応しています。

これにより、普通充電器・急速充電器・V2Xなど異なるメーカーや方式の設備が同一拠点に混在しても、支障なく運用できる統合的な充電器管理を実現します。

◼︎EV導入に関するご相談窓口

EV導入やEVスマート充電やEV関連事業に関するお悩み・ご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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