モビリティの未来をめぐる競争が激化する中、近年、各国のメーカーはこの変革に対してさまざまなアプローチを取っています。とりわけ中国メーカーは、独自のスタイルで変化に向き合い、他国のメーカーとは異なる方法で進化を遂げています。
その中でも中国のHuaweiは、2023年11月に中国の自動車メーカーとともに「HIMA」を設立し、EVモデルの開発・発売を開始しました。ブランドの数は年々増加しており、2021年のAITO※を皮切りに、2023年にはLUXEED、2024年にはSTELATOとMAEXTRO、そして2025年にはSHANGJEが加わり、計5ブランドとなりました。
※ HIMA設立前にSeres GroupとHuaweiの協業で開発されたEV

出典:HIMA各社公式資料よりアークエル株式会社が作成
HIMAは、Huaweiが提唱するインテリジェント車両技術のアライアンスです。パートナー企業と連携しながら、インテリジェント車両技術の発展を促進し、ユーザーに優れたEV製品を提供することを目的としています。
その中核技術はシステム、IoT、ハードウェアと多岐にわたっています。
【運転支援:ADS運転支援システム】
クラウド経由で常に最新のルート情報や交通状況データを活用することで、対応可能な走行ルートの範囲を拡大
多数のセンサーとAIシステムを統合した認識技術により、複雑な路面状況や環境の変化にも柔軟に対応できる設計
【スマートコックピット:マルチメディアによるマルチスクリーン連携機能】
複数の画面やマルチメディアが連動し、迫力あるサウンドや光の演出とともに、移動やエンターテインメントの新しい体験を提供
スマートアシスタント「小藝(シャオイー)」によって、ドライビングサービスをさらに便利で快適に提供
【スマートパワー:Huawei製800Vシリコンカーバイド高電圧プラットフォーム】
Huaweiの「ジャイアントホエール」バッテリーは、最大600kWの急速充電に対応しており、AIによってエネルギーマネジメントも最適化
インテリジェント航続距離拡張システムにより、静音での始動・停止が可能で、ガソリンと電気の両方に対応するなど、柔軟な運用が可能
【スマート車両制御:Tuling(途霊)プラットフォーム、道路状況の全方位認識、車体姿勢の3D制御】
車体に搭載された多数のセンサーやAIを活用し、道路状況を360度全方位から立体的に把握。そのため、路面の凹凸やカーブなど、さまざまな状況でも最適な車体バランスを保ち、スムーズかつ安定した走行が可能
センサー、サスペンション、シャーシなどのハードウェアと、AI分析や走行制御といったソフトウェアが密接に連携することで、乗り心地が良く、安全性の高いドライビング体験を実現
自動で車高やサスペンションの硬さを調整したり、路面状況に応じてステアリングやブレーキ力の最適化が可能
【ネットワーク:高い通信能力、広範なカバレッジ、高速ネットワーク回復】
車載分散型衛星通信システムを搭載しているため、山間部や災害時など、携帯電話の電波が届かない状況でも、通話・メッセージ・緊急連絡が衛星通信を通じて可能
HIMAの最新車種には、衛星通信ネットワークと地上ネットワークを自動で切り替える仕組みが搭載されており、通常時は地上ネットワークを使用し、必要に応じて自動的に衛星通信に切り替わるため、常に安定した通信を確保
また、この通信は車両周辺30メートル以内でスマートフォンなどのデバイスと共有できるため、アウトドアや遠隔地でのグループ利用にも対応可能
【全方位安全性:全方向衝突防止システム】
車の前後左右だけでなく、斜め方向も含めた全方位からの衝突リスクを検知し、自動で回避できる先進の安全システム(AEBやADS)を搭載
LiDAR、レーダー、カメラなどの高精度センサーを複数使用し、周囲の危険や障害物をリアルタイムで認識。これにより、事故を未然に防ぐための車両制御が可能
車体構造には潜水艦レベルの高強度鋼材などの堅牢な素材を採用し、衝突時のダメージを最小限に抑える設計。そのため、万が一の事故でも乗員の安全をしっかりと確保
2025年11月初旬において、HIMAの日本市場への参入は発表されていません。しかし、中東や東南アジアには既に進出をしており、今後、ヨーロッパ、南米、アフリカ、オーストラリアへの進出が計画されています。
これまでのHIMAのEVの価格帯は約500万円〜約2,300万円でしたが、2025年9月に発売されたSHANGJEのEVは約360万円からの発売となり、日本市場でも受け入れやすい価格帯となりました。
HIMAのEVはこれまでの車に対する価値観を変えており、車のブランドよりも快適性が優先される新たな市場を構築した可能性があります。
自動運転(街中、駐車、立体駐車場、指定場所までの無人走行)
後部座席の大型スクリーン
冷温庫
マッサージ機能
実際にこのような動向に対応するため、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車の中国合弁会社各社のEVには、HuaweiのHarmonyOS搭載予定であることが公表されています。
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