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デンマークEVシフト最新状況、税制支援とインフラが支えるEVバスの現場

2026/2/27

EV Blog

デンマークのEVの規制と支援

デンマークのグリーントランジションは、1970年代の石油危機を契機に始まりました。これを機に、同国は輸入化石燃料への依存から脱却し、風力発電の導入拡大とエネルギー効率の向上へと大きく方針転換しました。その後も、持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな環境政策が段階的に導入されてきました。

■ 規制

1990年:Energi 2000

  • デンマークのエネルギー分野における行動計画。環境的に持続可能な発展を目指す。

  • 2005年までに、エネルギー部門のCO2排出量を1988年比で20%削減することが目標。同時に、窒素および硫黄の排出も削減。

2011年:Energy Strategy 2050

  • 2050年までに石炭・石油・ガスから完全に脱却するための長期戦略。国家のエネルギーシステム全体を再生可能エネルギーへ段階的に移行し、電化拡大も目指す。

  • この枠組みの中で、輸送分野も排出削減への貢献が義務化。グリーン電力の利用拡大も進捗。

  • この長期戦略により、EVの普及を支える制度的・インフラ的基盤が整備。

2020年:Klimaloven(Climate Act)

  • 2030年までに排出量を70%削減することが法的拘束力のある気候目標として義務付け。

  • 政府は輸送分野でも脱炭素化に向けた対策を導入する義務を負う。

■ 支援

2021年:Infrastrukturplan 2035

  • 2035年までの大規模なインフラ投資計画。総額1,058億デンマーククローネ(約2兆2,218億円)を新規インフラ事業に投資。

  • このうち395億デンマーククローネ(約8,295億円)が公共交通(鉄道、BRTなど)に充当。

  • また、持続可能なモビリティ移行の一環として、19億デンマーククローネ(約399億円)がグリーン施策に割り当て。

2025年:Finansloven 2026(2026年度財政法)

  • EVに対する登録税引き上げを1年間延期。2026年も2025年と同じ税制条件を維持。

  • さらに、2026~2027年の2年間、電力税をEUが認める最低水準まで引き下げ。これにより、EV充電コストが低減。

デンマークのEVバス状況

デンマークでは、EVバスの導入が全国的に進んでいます。2025年時点での導入台数は2,116台に達し、全体の20.45%を占めています。さらに、新車登録においては、2025年には10台中7台以上がEVバスとなっています。

2020年にはわずか118台でしたが、この5年間で約20倍に増加し、2025年には2,116台へと大きく拡大しました。

出典:ヨーロッパのデータベースをもとにアークエル株式会社が作成

デンマークのEVバス:Movia

2025年、Moviaは保有車両1,126台のうち565台をEVバスとし、電動化率50%を達成しました。これは当初掲げていた目標を6年前倒しで実現したものです。

Movia:2007年設立。デンマークの首都地域(ホーヴェズスターデン)およびシェラン地域を管轄する公共交通当局です。45の自治体と2つの地域に代わり、バスおよび地域交通の計画、入札、運行の調整を担っています。

なお、同社はバス車両を直接所有しておらず、民間事業者とのサービス契約を通じて運行を管理しています。EVバスの車種については、各民間事業者が選定しています。

  • BYD:K9(中国)

  • サイズ:12,000 mm × 2,550 mm × 3,360 mm

  • 航続距離:250 km

  • バッテリー容量:324 kWh

  • Yutong:E12(中国)

  • サイズ:12,170 mm × 2,550 mm × 3,300 mm

  • 航続距離:220 km

  • バッテリー容量:422 kWh

  • MAN:Lion’s City 12 E(ドイツ)

  • サイズ:12,200 mm × 2,550 mm × 3,320 mm

  • 航続距離:350 km

  • バッテリー容量:480 kWh

同社は直近5年間でEVバスへの移行を急速に進めてきました。2020年には77台(6.5%)にとどまっていましたが、2025年には597台(53.64%)へと大きく増加しています。

出典:Moviaの公開情報をもとにアークエル株式会社が作成

MoviaにおけるEVバス導入の課題と対策

航続距離

  • 課題:600S系統(イショイ~ヒレレズ間)は全長74.5kmに及びます。このような長距離路線をEVバスで運行することは容易ではありません。交通状況や冬季の暖房使用により電力消費が増加し、1日の運行を終える前に電力が不足するリスクがあります。

  • 対策:折り返し地点などに急速充電インフラを整備しました。各運行の合間の待機時間を活用して充電を行うことで、途中停車や車庫への帰還を行うことなく、安定した運行が可能となっています。

EVバス車両コスト

  • 課題:EVバスはディーゼル車と比較して初期導入コストが高い点が課題です。

  • 対策:

  • Moviaは最長14年のサービス契約を採用しています。これにより、民間事業者は投資を長期的に回収することが可能です。

  • 入札条件としてゼロエミッション車両の導入を義務付けています。

これらの取り組みにより、年間5,100万km以上をCO2排出ゼロで運行しています。2030年までにEVバス比率94%を目指しています。さらに、インフラ投資や電力税の引き下げなどの国家政策も、EVへの移行に伴う財務リスクの軽減に寄与しています。

▶︎ 出典(クリックで開閉)

公共交通機関のEV化を支援する、アークエルの「EVコンサルティング」

アークエルは、バスや商用車両のEV移行に向けて「移行シミュレーション」「EV車両・充電器導入」「電気工事」「補助金支援」「充電最適化」まで包括的なサポートを提供し、一貫したサービスをご利用いただけます。

特に中部電力社にホワイトラベルで提供しているOPCATでは、複数のバス事業者に対してEVバススマート充電のサービスを提供し、3年以上の運用実績があります。

▶ 参考リリース

中部電力 × アークエルテクノロジーズ 商用EVの最適充電マネジメントシステムのサービス提供を開始 -AIを活用したスマート充電によりEV普及を推進-

課題:EVバス導入に伴う電気料金抑制

バス事業者は急速充電器の導入にあたり、契約kWが増加してしまう懸念が課題になっていました。

解決策:ピークシフトによる契約kW抑制するEVバススマート充電

そこでアークエル株式会社では、契約kWが増えないように30分ごとに急速充電器の充電出力kWを変動させるEVバススマート充電ソリューション「AAKEL efleet」をバス事業者に提供してます。この解決策により、契約kWの増加を抑制しながらも、通常のEVバス運用には問題がない充電を実現できます。

また「AAKEL eFleet」では、車載器の設置やAPI連携ができないEVバスであっても、SoC(充電残量)予測モデルを生成することで、異なるEVバスメーカー車両の一元管理を提供しています。これにより、お客様は特定のメーカーに縛られることなく、自由にEVバスを選択することが可能となります。

「AAKEL eFleet」は、バス・タクシー・トラック・社有車・営業車などの法人向け基礎充電において、多様な運用ニーズやEV導入・運用に関するさまざまなお困りごとに対応しています。

▶ サービス詳細

AAKEL eFleet

また、アークエルは、エネルギー会社、自動車関連会社、公共交通事業者、その他の法人に対して、EV関連の新規事業構築支援をご提供してまいりました。

このトータルソリューションとコンサルティングにより、バス・タクシー・トラックなどの商用車から社有車まで、EVに関連する幅広い法人のニーズにお応えしています。

さらに、アークエル株式会社では電力分野に関する豊富な知見を有しており、さまざまな課題に対して最適なソリューションを提案することが可能です。こうした知見と海外ネットワークを活かし、モビリティ領域における調査・コンサルティングサービスを提供しています。

  • 自社の製品・技術が海外のEV市場でどのような事業機会を持つのか知りたい

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