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Vodafone UKの挑戦:2026年までに社用車 1,000台を完全EV化へ

2026/2/4

EV Blog

Vodafone UKのEV導入状況

Vodafone UKは2019年に社用車へのEV導入に向けた取り組みを開始し、2025年6月には300台目のEVを導入しました。現在は、2026年までに約1,000台規模の社用車をBEVに移行する計画を進めています。このプロジェクトは、「社用車の選択肢にEVを取り入れてほしい」という従業員の声を受けてスタートしました。

2023年にはArvalとの連携のもと、給与控除制度(Salary Sacrifice)を活用したEVの導入や、従業員向けの教育活動を実施しました。EV導入の加速において、従業員の理解促進が非常に重要な要素となっています。

Vodafone UK:1984年 設立。英国を拠点とする世界的な通信グループ「Vodafone グループ」の英国法人。顧客数 2,700万人超の英国最大規模の携帯通信事業者

Arval:1989年 設立。BNPパリバの完全子会社として、法人向けリースを展開。中小企業や大企業向けにリスクを減らしながら車両運用の最適化を支援

Arvalの支援により、Vodafone UKは段階的にEV導入を進めています。

  • 2019年:PHEVの導入開始、その後BEVも導入開始

  • 2020年:進捗状況 BEV 16%、PHEV 29%、ガソリン車 55%

  • 2021年:社用車の選択肢からガソリン車を除外

  • 2023年:社用車の選択肢からPHEVを除外

  • 2026年:すべての社用車をBEV化する目標を設定

Vodafone UKは、2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標に従い、2027年までにガソリン車をゼロにする方針を打ち出していましたが、Arvalの支援により、その移行を1年前倒しして2026年の達成を目指すようになりました。

この目標には、2023年以前に導入されたPHEVも含まれており、2026年中にすべてBEVへ移行する計画です。

Salary Sacrifice(給与控除制度)

2023年より開始された制度では、給与天引きによってEVを非課税で利用できる仕組みが導入されました。従業員は会社との契約を通じて、新車のEVを低コストで利用することが可能となります。

また、企業側にとっても以下の4つのメリットがあります。

  • 福利厚生として人材獲得と定着に貢献

  • EV導入を通じて脱炭素戦略を支援

  • EV管理業務はArvalが対応

  • 企業と従業員の双方にとって費用対効果が高い

英国におけるEV化の進展

2009年以降、英国では自動車メーカーに対し、CO2排出量の基準を順守することが義務付けられてきました。これらの基準は当時EUで定められていたものであり、英国が2020年12月31日にEU離脱の移行期間を終えた後も、そのまま国内法として継続されています。

また、2011年には英国政府が電動化を促進するためのインセンティブ制度としてPlug-in Car Grant(プラグインカー助成金)を導入しました。この制度では、EV購入時に車両価格から補助金が直接差し引かれます。EV市場の拡大に伴い、助成額や対象車種は段階的に見直されています。

Plug-in Car Grant(プラグインカー助成金)

  • 電動バイク、トラック、タクシー、小型バン、大型バン、車椅子対応車両など、車種ごとに異なる補助が用意

  • (例)小型バン:最大2,500ポンド(約53万円)

さらに、2020年以降、英国政府はこれまでの政策を強化し、ゼロエミッションモビリティへの移行を支援する包括的で体系的な戦略を打ち出しました。

  • エンジン車両の販売終了時期の設定:ガソリン車とディーゼル車は2030年までに販売終了予定。ハイブリッド車は2035年までに段階的に終了予定。

  • Zero Emission Vehicle (ZEV) Mandate:メーカーは毎年EV販売比率を上げる必要があり、2024年は22%、2035年には100%が目標。未達成の車には15,000ポンド(約316万円)の罰則。

  • 充電インフラ整備:2022年以降、政府はLocal Electric Vehicle Infrastructure(LEVI)支援金により、2030年までに10万口の公共充電器設置を目指し、3億8,100万ポンド(約810億円)を投入。家庭向け補助もあり、最大75%(上限350ポンド(約7万円))を支援。さらに、2023年からは公共充電器の稼働率 99%以上、コンタクトレス決済、8kW以上の普通充電出力などのルールも義務化。

Local Electric Vehicle Infrastructure(LEVI)

英国政府が提供する本制度は、イングランド内の地方自治体と充電インフラ業界とのコラボレーションを促進し、地域における充電インフラの展開と商業化を加速させることを目的としています。

出典:Zapmap(SMMT)のデータをもとにアークエル株式会社が作成

EV推進政策の影響により、EVの普及率は2021年の2.26%から2025年には8.19%へと、約4倍に成長すると予測されています。内訳を見ると、特にBEV(バッテリーEV)がこの成長をけん引しており、同期間中に約4.5倍に増加すると見込まれています。一方、PHEV(プラグインハイブリッドEV)も約2.8倍に増加する見通しです。

英国とEUの関係

EU離脱後も、EUの政策は依然として英国のEV市場に大きな影響を与えています。2023年12月、英国政府とEUは、EVに関する貿易ルールを2026年末まで延長することで合意しました。この合意により、EVやバッテリーの取引に10%の関税が課される事態を回避し、2024年に予定されていた「原産地規則(Rules of origin)」の改定も撤回されました。

これにより、英国とEUにおける車両関連の生産比率に関する要件が維持され、英国政府としては最大43億ポンド(約9,100億円)にのぼる追加コストの発生を防ぐことができました。また、この合意は、英国とEU間のEV関連取引のさらなる促進にもつながると期待されています。

こうした協調的な関係は、英国がEV、バッテリー、そしてサプライチェーンへの投資を強化し、カーボンニュートラルの実現に向けた産業競争力の向上を図る上でも、極めて重要な意味を持ちます。

英国政府は引き続き、EVおよびバッテリーの国内生産体制の強化を目指しており、すでに20億ポンド(約3,700億円)超の投資が実施されています。今後5年間でさらに45億ポンド(約8,400億円)を投入する方針を掲げており、これらの取り組みは、サプライチェーンの強靱化とEV分野における国内競争力の確保に大きく寄与するものと考えられます。

Rules of origin(原産地規則)

  • EU離脱後の貿易協定(TCA)において、EVが関税免除を受けるには「英国またはEU由来の部品を一定割合含むこと」が求められる内容。

  • EVとバッテリーについては、2024年1月1日に最初の要件引き上げ、2027年1月1日に最終引き上げが予定されていたが、コロナ禍や地政学的リスクや供給網の混乱を受け、英国とEUは2024年の改定を延期。現行ルールが2026年末まで維持。

  • 2032年までは原産地規則の再改定が行われないことも合意され、英国のEV業界全体にとって長期的な安定性と予見性が確保。

2025 Commission's Automotive Package

2025年12月、欧州委員会は「2025年自動車パッケージ(2025 Commission’s Automotive Package)」と呼ばれる新たな法案を発表しました。

この法案は、自動車およびバンのCO2排出基準を一部緩和する内容で構成されています。2035年までにゼロエミッションを実現するという目標は維持されつつも、自動車業界に対しては、より柔軟な対応が認められるようになっています。

  • 2035年基準:100%削減(CO2排出ゼロ) → 90%削減(残り10%はクレジットなどで相殺可能)

  • 販売可能車両:EVとFCV(水素車)のみ → HVとPHVと内燃機関車(条件付きで可)も許容

  • 商用バン 2030年 CO2排出量目標:50% → 40%

この欧州委員会の緩和内容に対して、2026年1月時点では英国への影響はまだ見られておりません。

▶︎ 出典(クリックで開閉)

【弊社事例】 日本における社用車へのEV導入事例

アークエル株式会社では、社用車のEV移行に向けて

  • 移行シミュレーション

  • EV車両・充電器導入

  • 電気工事

  • 補助金支援

  • 充電最適化

まで、包括的なサポートを提供し、導入から運用まで一貫してご支援します。

岡山ガス株式会社は、今後のEVビジネスへの展開を見据え、2023年に三菱オートリース株式会社およびアークエル株式会社との3社による協業プロジェクトを開始しました。

岡山ガス × 三菱オートリース × アークエルテクノロジーズ EV導入ワンストップサービス事業を開始 - 3社の強みを活かした協業事業 -

この3社協業事業の中で、岡山ガス株式会社では社用車のEV化にも取り組んでいます。

課題:「日々の事業運用に支障の出ないようなEVスマート充電」と「特定の社用車は充電の開始と停止を自由に実施するが充電時間や充電量kWhは個別に把握したい」という2つのニーズの同時達成

社用車の中には使用目的によって、充電時間帯を一律に設定できない車両も存在します。そうした車両では、自由な充電時間の確保と充電管理の両立が求められるため、EVスマート充電の対象車両とは異なる充電制御が必要となりました。

解決策:充電器ごとに充電制御の内容を分割。「AAKEL eFleet」と「AAKEL eFleet Billing」を充電器ごとに設定

  • 「日々の事業運用に支障の出ないようなEVスマート充電」は「AAKEL eFleet」で提供

  • 「特定の社用車は充電の開始と停止を自由に実施するが充電時間や充電量kWhは個別に把握したい」は「AAKEL eFleet Billing」で提供

充電器ごとに設定機能を変えて提供することで、1拠点内の複数充電器であっても、異なる制御と管理をすることが可能となります。

この「AAKEL eFleet Billing」は公共充電(一般的な目的地充電や経路充電)のサービスではないため、

  • 従業員への福利厚生としての充電サービス提供

  • 既存顧客訪問者への充電サービス提供

  • 既存取引先訪問者への充電サービス提供

このような細かいニーズにも対応することが可能です。

「AAKEL eFleet ver.1.1 」リリース ~eFleet Billing の提供開始〜 EV充電料金を計算し、サービス事業者に提供

「AAKEL eFleet」は、バス・タクシー・トラック・社用車・営業車などの法人向け基礎充電において、多様な運用ニーズやEV導入・運用に関するさまざまなお困りごとに対応しています。

▶ サービス詳細【AAKEL eFleet

また、アークエル株式会社では、エネルギー会社、自動車関連会社、公共交通事業者、その他の法人に対して、EV関連の新規事業構築支援をご提供してまいりました。

このトータルソリューションとコンサルティングにより、バス・タクシー・トラックなどの商用車から社用車まで、EVに関連する幅広い法人のニーズにお応えしています。

さらに、アークエル株式会社では電力分野に関する豊富な知見を有しており、さまざまな課題に対して最適なソリューションを提案することが可能です。こうした知見と海外ネットワークを活かし、モビリティ領域における調査・コンサルティングサービスを提供しています。

  • 自社の製品・技術が海外のEV市場でどのような事業機会を持つのか知りたい

  • 社内向けに簡潔で分かりやすいEV調査レポートを作成してほしい

  • 日本におけるEV関連の新規事業開発を検討したい

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