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前回改定案を踏まえたSBTi最新ガイドラインのおさらい

2025/5/13

Carbon Neutral Blog

SBT(Science Based Target)とは、パリ協定の目標に即した、企業の温室効果ガス排出削減目標を設定・認定するための国際的な枠組みです。
近年、日本でもSBTの取得企業が急増し、2025年1月時点では世界最多の1,525社がSBTを取得・コミットしています(大企業360社・中小企業1,165社)。

現在、SBTイニシアチブでは企業向けネットゼロ基準の改定案を公開し、意見を公募しています。
今回は、本改定の5つの見通しを解説していきます。

  1. Scope1,2に関するアクション重視の構成
    これまで、Scope1,2の総排出量に対して目標を設定していたのに対し、改定案ではScope1とScope2それぞれに目標設定と削減行動を求める内容になっています。 特に、Scope2の目標では大きな改定が提案されています。 それは、マーケット基準だけでなくロケーション基準での目標設定も必須とすることです。 これは系統全体(日本もしくはエリア全体)の排出係数をゼロにする目標を設定するという意味であり、達成には企業独自の努力だけでなく、国やエリア単位での大きな努力が必要となります。

  2. Scope3に関する新オプション
    Scope3の算定・削減の難しさについては、SBTiが調査した企業の半数が「最大の課題」と答えていました。 これを受けてSBTiは、排出削減目標の代わりにグリーン調達やグリーン売上高の目標設定を行うことを可能とする案を提示しています。 これは、SBTiがScope3についてより柔軟な姿勢を示した形です。

  3. カーボンリムーバルと気候ファイナンスの拡大
    直接排出削減義務を超えて、未削減排出・残留排出への対応策を提示しています。 「バリューチェーン外の緩和(BVCM)」に投資する企業の正式認定や暫定的な炭素除去目標の導入を検討しているとのことです。

  4. 進捗追跡と報告義務の導入
    SBTiが目標達成への進捗評価と報告要件を追加し、企業に5年ごとに進捗管理・報告を行うことを義務付けることが提案されています。 これは新分類におけるカテゴリーA企業(大企業)が対象の改定内容となります。

  5. SME版SBTの要件の簡素化
    リソースや能力に応じた要件を設定し、より多くの企業がSME版SBTに参加可能な仕組みを整えることを提案しています。

2025年6月1日までの意見公募を行ったあと、修正・実証テスト等を経て、2026年3月末には最終改定版を決定する見込みとのことです。

実際にSBT認定取得を行う際の流れを確認しておきましょう。
特に、「取組開始から認定取得までに、どのくらいのお金と時間がかかるか」に重点を置いて解説していきます。

  1. 登録 ※英語

  2. コミット(任意)

  3. 排出量算定・目標設定

  4. 申請・妥当性確認 ※英語

  5. 事務局とのコミュニケーション(取得の公表など)

  6. 定期的な進捗開示

特に労力と時間がかかるのは、「3. 排出量算定・目標設定」と「4. 申請・妥当性確認」です。 この2点に絞って、行うべき作業のポイントをご説明します。 その他のステップについては、通常1週間前後のリードタイムを見ることが多いです。(場合によっては、より長い時間がかかります。)

3.排出量算定・目標設定

このステップにかかる期間は1週間~半年以上、費用は0円~数十万円と企業によって大幅に異なります。
これは、以下の状況が企業によって異なるためです。

  • 算定の範囲はどこまでか(Scope3の算定が必要か)

  • 算定に必要なデータはすでに揃っているか

  • 算定はエクセルで行うのか、ツールを活用するのか

  • 算定を自社のみで進めるのか、コンサル等の専門家の支援を活用する など

目標設定を行うには、GHGプロトコルという国際基準に従って基準年の排出量算定を行う必要があり、この基準を正しく理解した上で算定を行うことが求められます。 また、算定範囲の設定や算定方法、算定に用いる数字などが細かく規定されている最新のガイドラインに基づいた算定が求められます。 排出量算定に役立つツールとして以下のようなツールがあります↓

■「AAKEL eCarbon」 製品ページ:https://aakel.co.jp/ecarbon

4.申請・妥当性確認

前述のとおり、申請はポータルサイト上で行えるようになりました。 申請後、通常は以下のタイムスケジュールで事務局による妥当性確認が行われます。 一次スクリーニング終了後には、申請費用を支払う必要があります。

申請費用を支払った後、最短2か月前後で認定が取得できます。 なお、修正対応は原則2営業日以内が求められます。対応には、社内体制の整備や外部支援の活用も必要になることがあります。

以上のように、SBT取得には最新の知識と費用、時間がかかることがご理解いただけたかと思います。
これらの手続きを効率的に行うには、専門家とともに進めることも良い手段といえます。
弊社では、SBT認証取得に関する業務(英語でのやり取り、排出量算定、目標設定、申請など)のコンサルティングを行っております。
是非一度お気軽にご相談ください。

ご相談はこちら

出所:SBTi launches draft Corporate Net-Zero Standard V2 for consultation - Science Based Targets Initiative

Resources - Science Based Targets Initiative

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