第11回
2026/5/11
※本記事では、日経MOOK『地域と歩むカーボンニュートラル経営』を読む際に、「どのポイントに目を向けるとよいか」「自社では何がポイントになりそうか」を考えるためのヒントを、ブログ形式でまとめています。本編とあわせてお読みいただくことで、内容をより身近に感じていただけます。
企業の環境対応は、単に「取り組んでいる」だけでは十分とはいえなくなっています。現在は、その内容が外部からどのように「評価される」かが、企業価値や取引関係に影響を与えるようになっています。こうした中で、企業の環境対応を評価する仕組みとして、世界的に活用されているのがCDPです。CDPは、企業や自治体の環境データを収集し、投資家や購買企業が意思決定に活用できる形で公開している国際的な情報開示システムです。
CDPに参加する企業は、年次での継続的な情報開示が求められており、環境に関する取り組みについて質問書に回答します。これは、企業の自主的な参加に加え、投資家や取引先からの要請を受けて実施されることが一般的です。評価の対象となるのは、単に排出量が多いか少ないかという点だけではありません。企業が環境課題にどのように向き合い、経営に組み込んでいるかといった観点から、取り組みの成熟度が評価されます。
回答内容は、企業の環境対応の成熟度に応じて、
情報開示
認識
マネジメント
リーダーシップ
といった4段階で整理され、企業の環境対応の成熟度が評価されます。その結果は8段階評価(A、A-、B、B-、C、C-、D、D-)でスコアが付与・公表されます。これにより、企業の環境意識に対する客観的評価が一目でわかります。

出所:CDP Worldwide-Japan「CDP質問書とスコアリング」
近年の大きな変化として、CDPの対象が大企業だけでなく、中小企業にも広がりつつあります。2024年には、中小企業向けの質問書(SME版)が新たに導入され、質問数を減らした質問書が提供されています。これにより、自社リソースが限られる企業でも環境情報開示に取り組みやすくなりました。
これは、環境対応が企業単体ではなくサプライチェーン全体で求められていることの表れでもあります。今後は、大企業だけでなく中小企業においても、同様の対応が求められることが増えていくと考えられます。
CDPは、外部からの評価を受ける仕組みである一方で、企業にとっては自社の取り組みを見直す機会でもあります。
設問は、
ガバナンス
事業戦略
温室効果ガスの排出量などの環境パフォーマンス
リスク機会の認識と対策
目標設定と進捗管理
といった観点で構成されています。CDP質問書に沿って回答内容を整理することで、自社の取り組みを棚卸しすることができ、自社の課題や対策を体系的に整理することができます。
詳しく知りたい方は、日経MOOK『地域と歩むカーボンニュートラル経営』のPART5をご覧ください。