第10回
2026/4/27
※本記事では、日経MOOK『地域と歩むカーボンニュートラル経営』を読む際に、「どのポイントに目を向けるとよいか」「自社では何がポイントになりそうか」を考えるためのヒントを、ブログ形式でまとめています。本編とあわせてお読みいただくことで、内容をより身近に感じていただけます。
カーボンニュートラルが進む中で、サプライチェーン全体での排出量が重視されるようになっています。
その実現に向けては、スコープ1・2の直接排出だけでなく、サプライチェーン排出(スコープ3)の削減が不可欠です。スコープ3とは、自社の排出にとどまらず、原材料の調達から販売した製品の使用・廃棄に至るまで、バリューチェーン全体の排出を対象とするものです。
このスコープ3の排出削減は、単なる排出量の把握ではなく、サプライチェーン全体として、どのように連携を進めていくかというテーマでもあります。そのため企業には、自社だけで完結するのではなく、サプライチェーンの一員としてどのように関わるかが問われています。

スコープ3排出量は、一社単独で完結するものではなく、取引先の協力がなければ正確な把握は困難です。そのため企業には、取引先と連携しながら排出量の把握や削減を進めていくことが求められます。
こうした背景から、大企業からサプライヤーへの要請は増加しており、求められる内容も、排出量の算定や報告にとどまらず、自主的な削減目標設定や具体的な削減活動の実施へと広がっています。
さらに、その対応状況や成果が、取引条件や評価の一部として組み込まれるケースも出てきています。場合によっては、一定基準に満たなければ取引継続の見直しにつながる可能性もあります。
このような大企業とサプライヤー間の協働による取り組みは「サプライヤーエンゲージメント」と呼ばれ、サプライチェーン全体で排出削減を進めるアプローチです。
環境対応は「やるかどうか」の選択ではなく、取引の前提条件になりつつあります。
こうした動きは単なる負担の押し付けではありません。大企業がサプライヤーに対して、排出量報告や削減要請と併せて、
知識提供(「知る」)
算定支援(「測る」)
技術・財政支援(「減らす」)
といった形で、各種リソースやノウハウを提供するケースが増えています。要請と支援を組み合わせることで、サプライヤーの意識と能力を高め、サプライチェーン全体の排出削減を加速させています。
ただし、
専門的に対応する部署がない
データ収集の負担が大きい
算定に必要なデータ整理や推計判断が難しい
専門人材が不足している
といった課題もあり、地域企業にとっては継続的なボトルネックとなりやすいのも事実です。そのため、まずは取り組みやすいカテゴリから段階的に着手することが重要です。
詳しく知りたい方は、日経MOOK『地域と歩むカーボンニュートラル経営』のPART5をご覧ください。