第9回
2026/4/20
※本記事では、日経MOOK『地域と歩むカーボンニュートラル経営』を読む際に、「どのポイントに目を向けるとよいか」「自社では何がポイントになりそうか」を考えるためのヒントを、ブログ形式でまとめています。本編とあわせてお読みいただくことで、内容をより身近に感じていただけます。
企業が排出削減に取り組む理由は、もはや「環境のため」だけではありません。
現在は、その取り組みを外部に対して適切に説明すること自体が企業経営の一部となりつつあります。
投資家や金融機関、取引先は、企業がどのように気候変動へ対応しているのかを、重要な企業投資の判断材料として捉えています。こうした背景の下で整備が進んでいるのが、日本のサステナビリティ開示基準であるSSBJ基準です。
SSBJ基準は、日本企業のための開示ルールでありながら、国際的なフレームワーク(ISSB/IFRS S1・S2)に基づいて策定されています。これは、日本企業が国内にとどまらず、国際的にも比較可能な形で情報開示を行い、投資家にとって有益な情報提供を実現することを目的としたものです。今後は、有価証券報告書などへの反映を通じて、上場企業から段階的に適用されていく見込みです。
SSBJ基準は主に上場企業を対象としていますが、その影響は企業単体で完結するものではありません。特に重要なのが、サプライチェーン全体の排出量、いわゆるスコープ3排出量です。大企業が排出量を正確に把握するためには、取引先を含めたデータ収集が不可欠となります。そのため、地域企業に対しても、排出量データの提供や排出削減への協力が求められる場面が今後増えていくと考えられます。環境情報の開示は、一部の企業の取り組みではなく、サプライチェーン全体に広がる動きとして捉える必要があります。

SSBJ基準への対応は、開示書類の作成そのものではなく、まず経営層などの関与の下で体制を整え、自社の排出量や関連データの収集・算定を進めることが出発点となります。そのうえで、リスクや機会を踏まえた戦略と削減目標を策定し、最終的に有価証券報告書やサステナビリティ報告書などの開示へとつなげていくことが求められます。
詳しく知りたい方は、日経MOOK『地域と歩むカーボンニュートラル経営』のPART5をご覧ください。