スタンフォード大学 グローバルエナジーフォーラム「カモン ジャパン」

「カモン ジャパン(何やってんだ、日本は…)」。
11月1日、2日にスタンフォード大学で行われたグローバルエナジーフォーラム(以下 GEF)の最後のセッションで、レーガン政権の国務長官だった97歳になるジョージ・シュルツが声を張り上げて言った言葉でした。これは日本が未だに石炭火力発電所の新設を行なっている事に憤り、発せられた言葉です。

写真:3名の元長官のパネル風景
   撮影 宮脇 良二

昨年までコロラドで開かれていたGEFは、今年からスタンフォードで開催される事になり、内容もアメリカ中心からよりグローバルな視点のディスカッションに移行しました。
そしてスタンフォードに移ったGEFは私がこれまで参加したどのカンファレンスよりも豪華で格式高いものでした。現在スタンフォードに席をおいている4名の元長官がホストとなり、2日間に渡り、世界中から超一流の経営者、学者、投資家が集まり、エネルギーに関するディスカッションと講演が行われました。
4名の元長官は前述のジョージ・シュルツに加え、クリントン政権の国防長官のウィリアム・ペリー、ジョージ・ブッシュ政権の国務長官のコンドリーザ・ライス、オバマ政権のエネルギー長官でノーベル物理学賞を受賞しているスティーブン・チュー長官です。
そして、ハイライトは自身の資産でブレークスルー・エナジー・コリーションという、これからのエネルギーを研究する財団を運営している、ビル・ゲイツでした。
GEFのHP https://gef.stanford.edu

写真:ビル・ゲイツのセッション
特徴的な高い声と大きなゼスチャーで話してました。
   撮影 宮脇 良二

フォーラムは「エネルギーの脱炭素化社会への移行」が全体を通したメインテーマで、中東問題や中国・北米の地域毎の問題、デジタル化、EVと自動運転、蓄電池の動向、石油・ガス業界の見方、投資家の見方がそれぞれ語られました。全体を通して私が感じた事をまとめておくと
・ グローバルリーダーは地球温暖化問題(脱炭素化)に対して非常に意識が高い
・ エネルギー分野の改革だけでは温暖化問題は解決しない(CO2排出に占めるエネルギー分野の割合は日本は約4割、米国は2.5割)
・ 炭素税の議論は待った無し
・ これから排出量が伸びる中国、インド、アフリカの脱炭素化をどう進めるかが重要課題
・ 天然ガス(石油、石炭と比較してCO2排出量が少ない)はこれから数十年は重要な位置付けの燃料

なお、冒頭のように日本はシュルツに怒られましたが、それ以外は存在感がありませんでした。ソフトバンクエナジーの方が登壇されましたが、インド人で、話はインドや中東への再エネ投資の話で、日本的な話はありませんでした。しかし、ソフトバンクは凄いですね。シリコンバレーでもビッグネームです。

全体的にハイレベルな話が多く、新しい知見が得られるという感じではありませんでしたが、グローバルリーダーの考えている事が理解できたのと、ビル・ゲイツと元長官達の話が聞けたのは私にとってとても意味があり、これからのアークエルテクノロジーズの目指す方向性を考える上でのヒントになりました。

また、GEFにはベイエリアにある30社のエネルギー関係のスタートアップが集められ、展示とミートアップが行われました。ほとんど全てのブースを周り、個別に話を聞きましたが、スタートアップの裾野の広さと、エネルギーを取り巻く発展的なエコシステムを感じました。

文責 アークエルテクノロジーズCEO
宮脇 良二

2018年11月3日